ゴミ屋敷を片付けるお金がない!とるべき対応や自治体の制度を紹介します
「ゴミ屋敷を片付けたいけど、お金がない…」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。ゴミ屋敷の片付けには、想像以上にお金がかかるイメージがありますよね。しかし、本当にそうでしょうか?
この記事では、ゴミ屋敷の片付けにかかる費用について詳しく解説します。費用の相場や、間取り別の費用相場、さらにお金がない場合の対処法まで、具体的に紹介します。
この記事を読めば、あなたの状況に合った最適な解決策が見つかるはずです。あきらめずに、一緒にゴミ屋敷の問題を解決していきましょう。
ゴミ屋敷の片付けにはいくらかかる?
ゴミ屋敷の片付けにかかる費用は、ゴミの量や種類、家の広さ、作業内容などによって大きく異なります。そのため、一概に「いくら」とは言えませんが、ここでは一般的な費用の相場や、間取り別の費用相場を紹介します。あくまでも一例として参考にしてみてください。
費用の相場はさまざま
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する場合、費用は一般的に以下の要素によって決まります。
- ゴミの量…一般に、ゴミの量が多いほど片付けや処分の費用は高くなります。
- ゴミの種類…粗大ゴミや家電製品など、処分に手間がかかるゴミが多い場合は、費用が高くなる傾向があります。
- 家の広さ…広い家ほど、作業時間や人件費がかかるため、費用も高くなります。
- 作業内容…単純なゴミの回収だけでなく、清掃や消毒、リフォームなども依頼する場合は、費用が加算されます。
- 業者の料金設定…業者の料金設定はそれぞれ異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。
これらの要素を考慮すると、ゴミ屋敷の片付け費用は、数万円から数十万円、場合によっては100万円を超えることもあります。
間取りに応じた費用相場
ここでは、間取り別にゴミ屋敷の片付け費用相場を紹介します。あくまでも目安であり、実際の費用は状況によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
- ワンルーム・1K…10万〜20万円程度。ゴミの量が比較的少ないため作業時間が短く、費用も抑えられます
- 1DK・1LDK…10万〜30万円程度。部屋が少し広くなるためゴミの量も増え、ワンルームよりも費用が上がります
- 2DK・2LDK…20万〜50万円程度。部屋数が増えることで作業員の人数や作業時間も増加し、費用が上昇します
- 3DK・3LDK以上…30万円〜。状態によって50万円を超えることも珍しくありません。一軒家や複数階にまたがる場合は100万円以上かかることもあります
ゴミ屋敷の片付け費用には、単にゴミを捨てるだけでなく、清掃や消毒、場合によってはリフォーム費用まで含まれることがあります。そのため事前に業者としっかり相談し、詳細な見積もりを取ることが重要です。信頼できる業者を選ぶことで、不必要な追加費用を避けることができるでしょう。
ちなみに自分でゴミ屋敷を片付ける場合は、業者に依頼するよりも大幅に費用を抑えることができます。ただしゴミ屋敷の「レベル」によっては自力での片付けが難しいため、状況をしっかりと見極めることが大切です。
関連記事:ゴミ屋敷の5つのレベルとは?それぞれの特徴と清掃方法を紹介します
お金がないときはどうすればいい?
ゴミ屋敷の片付け費用に悩んでいる方も、あきらめる必要はありません。お金がない場合でもゴミ屋敷を片付ける方法はいくつかあります。
軽度のゴミ屋敷なら自分で片付ける
ゴミの量がそれほど多くない場合は、自分で片付けることも可能です。まずはゴミ袋や段ボールを用意し、ゴミを分別することから始めましょう。
分別のコツ
- 必要なもの、不要なもの、迷うものに分ける
- 不要なものはさらに「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」「粗大ゴミ」などに細かく分別する
- 迷うものは、一旦「保留」として別に保管しておく
処分の方法
- 自治体のゴミ収集ルールに従って、ゴミを処分する
- 粗大ゴミは、自治体への申し込みが必要な場合があるので、事前に確認する
- リサイクルショップや不用品回収業者に依頼するのも一つの方法
自分で片付ける場合、時間と労力はかかりますが、費用を大幅に節約することができます。
家族や友人の助けを借りる
一人で片付けるのが難しい場合は、家族や友人に協力を依頼してみましょう。複数人で作業することで、効率的に片付けを進めることができます。
家族や友人と一緒にゴミ屋敷を片付ける場合は、事前に片付けの計画やスケジュール、役割分担などを話し合っておくと、スムーズに作業を進めることができます。無理のない範囲で、お互いに協力し合うことが大切です。
ゴミ屋敷対策条例の支援を受けられるケースも
自治体によっては、いわゆる「ゴミ屋敷対策条例」にもとづいて、ゴミ屋敷の片付け費用を補助する制度があります。
支援の対象となる人や支援内容は自治体によって異なるため、まずはお住まいの自治体のホームページや担当部署に問い合わせてみましょう。相談窓口を設けている自治体もあるので、積極的に活用してください。
ゴミ屋敷対策条例による支援は、あくまで最終手段です。まずは自分で片付ける努力をすることが大切です。
ゴミ屋敷対策条例とは?
ゴミ屋敷対策条例は、ゴミ屋敷が引き起こす悪臭、害虫の発生、火災の危険性などから、本人や周辺住民の生活環境を守ることを目的とした条例です。なお、条例の正式名称や具体的な内容は自治体によって異なります。
代表的な支援内容
ゴミ屋敷対策条例にもとづく支援内容は、各自治体によって異なりますが、主な支援内容は以下の通りです。
- 相談・助言…ゴミ屋敷の片付け方や清掃方法についての相談、助言を行います
- 指導・勧告…立入調査などにもとづいて、ゴミ屋敷の所有者にゴミの撤去を指導、勧告します
- 行政代執行…所有者が指導や勧告に従わない場合、行政が強制的にゴミの撤去などを行います(費用は所有者に請求)
- 費用の補助…ゴミ屋敷の片付け費用の一部を補助したり、自治体の費用でゴミを撤去したりします
お住まいの地域にどのような支援があるかわからない場合は、役所に直接問い合わせてみましょう。
ゴミ屋敷対策条例の例
ゴミ屋敷対策条例にはさまざまなパターンがあります。ここでは一例として、東京都足立区の
1調査、指導・勧告の実施適正に管理されていない土地や建物等の所有者を調査します。土地や建物等が不良な状態にあり、近隣に被害を及ぼしていると認めたときは、指導・勧告を行います。 2命令・公表・代執行の実施指導・勧告を行ったにもかかわらず、改善されない悪質なケースの場合、命令・公表をすることができます。正当な理由なく命令に従わなかった場合には、代執行を行なうことができます。 3生活環境保全審議会の設置区の対応方針について第三者の意見を求めるため、医師や弁護士、学識経験者、区民団体等の役員を含む『生活環境保全審議会』を設けています。 4支援の実施ごみ屋敷状態の改善のために「所有者等が改善に同意」し、「改善のための費用負担が困難」であり、「審議会が必要と認める」場合には、条例において下記2種の支援策の実施を定めています。 ・費用100万円を上限に区が直接片付け等を行なう「支援」 ・町会・自治会等のボランティア団体が片付けに協力していただける場合に、5万円を上限に支払う「協力団体への謝礼金の支出」 |
足立区のゴミ屋敷対策条例は、ゴミ屋敷問題を抱える人々にとって心強い味方です。お住まいの自治体にも同じような条例があるかどうか、ぜひ確認してみてください。
自分でゴミ屋敷を片付ける際の手順
ゴミ屋敷を自分で片付けることは、大変な作業ですが、正しい手順で進めれば、必ず達成できます。ここでは、自分でゴミ屋敷を片付ける際の基本的な手順を4つのステップに分けて解説します。
計画を立てる
まずは、具体的な計画を立てましょう。闇雲に片付け始めると、途中で挫折してしまう可能性があります。
- 目標設定…いつまでに、どの部屋を、どの程度まで片付けるのか、具体的な目標を設定しましょう
- スケジュール作成…目標達成のために、いつ、何を、どれくらいやるのか、スケジュールを立てましょう
- 必要な物資の準備…ゴミ袋、段ボール、掃除用具、マスク、手袋など、必要な物資を事前に準備しておきましょう
- 安全対策…害虫駆除スプレーや防塵マスクなど、安全対策も忘れずに行いましょう
ゴミを分別する
ゴミ屋敷の片付けで最も重要なのが、ゴミの分別です。分別が不十分だと、ゴミの処分に手間取ったり、追加料金が発生したりする可能性があります。分別をする際は、以下の点に留意しましょう。
- 分別基準…自治体のゴミ収集ルールに従ってゴミを分別する
- 分別方法…燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ、粗大ゴミなどに分けて、それぞれ指定のゴミ袋や場所にまとめる
- 迷うものは保留…すぐに判断できないものは、一旦「保留」として別に保管する
離れた場所から始める
ゴミ屋敷の片付けは、精神的に負担が大きい作業です。まずは寝室やリビングなど、生活に支障がない場所から片付け始めることで負担を軽減し、モチベーションを維持することが大切です。
また離れた場所を先に片付けておけば、生活圏の中心を片付ける際に「ゴミを一時的に置いておくスペース」を確保しやすくなります。
小さな場所から片付ける
一度にすべての場所を片付けようとすると、途方もない作業に感じてしまいます。まずは引き出しの中や棚の上など、小さな場所から片付け始めましょう。「片付いてきた」という達成感の積み重ねが、最後まで片付けを続けるモチベーションにつながります。
ゴミ屋敷対策条例とは?
ゴミ屋敷の状態が深刻な場合や自分での片付けが難しい場合は、そのまま放置するのではなく、プロの清掃業者に片付けを依頼しましょう。
ゴミ屋敷を放置するリスク
ゴミ屋敷を放置すると、以下のようなリスクがあります。
- 健康被害…悪臭や害虫、カビなどによる健康被害のリスクが高まります。アレルギーや感染症を引き起こす可能性もあります
- 火災…ゴミは燃えやすいため、火災が発生するリスクが高まります
- 近隣トラブル…悪臭や害虫が近隣に迷惑をかけ、トラブルに発展する可能性があります
- 法的措置…自治体から改善命令が出され、従わない場合は罰金が科せられることもあります
依頼前に相見積もりを取る
専門業者に依頼する際は、必ず複数の業者から相見積もりを取りましょう。料金やサービス内容を比較検討することで、最適な業者を選ぶことができます。
相見積もりを取る際は、以下の点を意識しましょう。
- 複数の業者から見積もりを取る…1社だけでなく、複数の業者から見積もりを取ることで、適正な価格やサービス内容を比較します
- 見積もり内容を詳細に確認する…作業内容や費用の内訳、追加料金の可能性などが詳細に記載されているかを確認します
- 実績や評判を確認する…業者の実績や口コミ、評判をインターネットで調べることも重要です
- 契約書を確認する…作業前には必ず契約書を確認し、不明点や疑問点があれば業者に質問します
上記の4つのポイントを踏まえて信頼できる清掃業者を選ぶことで、ゴミ屋敷の問題を効果的に解決できるでしょう。
まとめ
ゴミ屋敷の片付けは、決して簡単なことではありません。しかし、放置するとさまざまなリスクがあるため、早急な対応が必要です。お金がない場合でも、自分で片付けたり、家族や友人の協力を得たり、自治体の支援制度を利用したりと、取れる手段はいくつもあります。
ただしゴミ屋敷の状態が深刻な場合は、無理をせずプロの清掃業者に依頼しましょう。プロの力を借りることで、安全かつ効率的にゴミ屋敷を片付け、清潔な住環境を取り戻すことができます。この記事が、ゴミ屋敷を解消するお役に立てれば幸いです。